ワイヤレスピンマイク装着の為のヘッドセットの作り方


(株)エスイーシステム
吉田 文菜

---まえがき---


 近年ミュージカルや演劇において特に大劇場ではワイヤレスマイクを使用する事が多くなっています。大きな動きによるケーブルの断線やマイク位置のずれ、汗によるマイクヘッドの水没などマイクを出演者に装着する方法は皆さん大変苦労されていると思います。 

 ワイヤレスの2ピースマイクを出演者に装着する方法には、襟もとやネクタイなど服に装着する方法、役者の頭部に装着する方法等があります。

 出演者の頭部にマイクを装着する際、ウィッグを用いる時はウィッグの下にかぶるネットや羽二重にアデランスピン(ウィッグピン)やUピン、テープ等で装着すれば容易に付けられます。しかし地毛の場合は直接頭部にマイクを装着するのが難しい場合があります。

 髪の毛がかっちりと固まっている場合はアデランスピン(ウィッグピン)で2ピースマイクを装着することも可能ですが、髪をほどいている場合や、アデランスピンを固定しにくい短髪、スキンヘッドの場合は、頭部に2ピースマイクを装着するのは容易ではありません。

 その場合に自作のヘッドセットを用いると、どのような髪型の人でも2ピースマイクを比較的容易に頭部に付けられるようになります。

 また、装着する人の頭の形に合わせてヘッドセットが作成出来、既製品のヘッドセットではサイズが合わない人にも対応することが可能という利点があります。

 私がワイヤレスケアの仕事をする際、よく作るのがこの「曲がる針金を用いた両耳にかけるタイプのヘッドセット」です。【写真1】


【写真1】


 殺陣やダンスなど、激しい動きがあっても耳から外れにくいのが特徴です。

 本レポートでは、その作り方をまとめてみました。

作り方①に続く