<2、作業と仕事>

 フリーターという人たちが大勢いますが、実際に彼らがこなしている仕事は本当に「仕事」でしょうか?「収入を得ることを仕事」と思っている人がほとんどではないでしょうか。

 時給800円の仕事(?)を一日8時間、月に25日働いたとして、1ヶ月の収入は16万円になります。仮に不可能ですが1日24時間、31日間休み無く働くと1ヶ月の収入は48万円になります。どんなに自分の体を酷使しても1ヶ月の収入には限度があることがわかります。

 「作業」とは第三者から指示通りに作業を進めることです。

1、いかに短時間に
2、大量にこなすか
が求められているのです。

 目標が達成できなければ時給が下がるか、解雇されてしまいます。その上それに対して文句、苦情を言う人が出始めます。そうなると機械でできるところは機械でやってしまおうとなってしまいます。工場のベルトコンベアーで同じ作業を24時間繰り返している工業用ロボットがあります。電気さえ与えておけば文句も言わず、確実に作業をこなします。

 ここが「作業」と「仕事」の分かれ道になります。

 例えば「この書類のコピーを5部とってくれ」と指示を受けた場合を考えてみましょう。

 誰でも、コピー機に向かって、元原稿をセットしスタートボタンを押す、そして仕上がったコピー書類を元原稿と合わせて提出、というという行動をします。


 「作業」では、5部間違いなくコピーします。

 「仕事」では、指示者に「最終的にどのような形態になりますか?製本しますか?」と確認をとり、綴じ代部分を少しとってコピーします。

 この違いは分かりますか?

 「仕事」とは指示された事以外に「自分の考えを足して出来上がりをより良くする」 事です。これが第1章で述べた1+1=3になることなのです。

 この様なやり方を繰り返していると、第三者からは「貴方は当社にとって本当に重要な人材である」と評価され、結果として収入も上がる訳です。

 ではどうすればそのように出来るようになるのでしょうか?

1,指示をされたら、その指示の最終出来上がりを想像する。
2,仕上がりまでの作業工程を頭の中でシュミレーションし、無駄な工程を一切省く。
3,頭の中の思考は物事を複雑にせず、第2章で述べた計算(工程)を一つずつ確実にしてゆく思考回路に自分を変える。

 以上が仕事をする基本です。

 このような思考が日常的にできるように自分自身を持ってゆくことが第一歩です。

 「自分は仕事ができる」とか「上司は俺の本当の力を理解してくれない」といった不満が出てくるのも思考回路が自分に向かっているのに気が付いていないのです。人の評価というのは自分で出すのではなく、他人が出すものです。

 この当たり前の事が「自分がかわいい」という本能(?)の為、間違った考え方に陥って「自分が、自分が・・・」になってしまうのです。